私たちの暮らしのすぐそばで、長い年月をかけて地域を見守ってきた大きな木々。
今回は、大月市梁川町にある個人邸の施主(山本さん)が、家から徒歩数分のところにある「大欅(おおけやき)」の伐採を止め、「大地の再生(杜の財団)」による維持管理を実現した取り組みと、その周辺環境の整備レポートをお届けします。
なお、この大欅の命を未来へつなぐために挑戦していたクラウドファンディング(2026年7月15日終了)では、多くの方々から温かいご支援をいただきました。改めて感謝申し上げます。
大欅の足元の脈整備
大欅の足元には、小さな沢があります。
かつては山からの水が潤沢に流れ、周辺住民の生活用水として大切に利活用されてきました。しかし現在はコンクリートの三面張りに変わり、上流の擁壁工事の影響もあって水量は激減。地域の高齢化により手入れも追いつかず、藪化した状態となっていました。

今回、大欅の維持管理を担えるようになったことで、ようやくこの周辺環境の整備にも着手できるようになりました。
今年(2026年)に入ってから、大地の再生講座の一環や関東甲信越支部のメンバーによる「結の作業」として、大欅周辺の風通し改善や表層水脈の整備を進めています。
8月1日(土) 大欅周辺のメンテナンス作業
夏本番の猛暑となったこの日は、熱中症対策のためスタッフは朝7時半、一般参加者も8時から整備を開始し、正午で終了するスケジュールとしました。
作業の初めには、大欅を近くと遠くから観察。この大木がどれほど地域の地形と風土を支えている大事な存在であるかを、参加者全員で共有してから実際の作業に入りました。
- 沢の土砂詰まり解消 三面張りの沢に部分的に溜まっていた土砂を取り除き、下流へ向かって水が緩やかに流れるようにつなぎ直しました。
- 風通しの改善(剪定と蔓の整理) 斜面の植栽は密生した部分を間引いて風を通しました。地表を覆っていた蔓などの植物はすべて取り除くのではなく、「人の通る幅」で開いて風が入る道(筋)をつくりました。これにより、過度な乾燥を防ぎつつ、植物が呼吸しやすい環境を整えます。
- 竹林の点穴と土留め 大欅の根本に広がる竹林では、倒れた竹を土留めとして等高線状に組み込みました。さらに、移植ゴテや三角ホーを利用して斜面に無数の「点穴」を開け、多孔質で微生物の住処となる「竹炭」を投入。地中への水と空気の出入りを改善しました。


▶︎ 当日の作業の様子はこちら(Instagramリール動画)
【番外編】6月下旬:山本さん邸(施主)の庭の手入れ
大欅のメンテナンスに先立つ6月下旬には、この取り組みをリードされた山本さんの個人邸の手入れにも入らせていただきました。
本来は2日間の予定でしたが、台風接近による大雨の影響で初日は中止。翌日も雨が降ったり止んだりする中での施工となりました。
雨天時に無理に土を掘り起こすと、土の粒子が練り固まってしまい、かえって土壌の通気・浸透性(団粒構造)を壊してしまう原因になります。そのため、今回は土を掘る作業は一切止め、植栽の「風通し剪定」と「表層の下草の手入れ」に集中しました。


山本さん邸では、2025年1月に庭全体の通気浸透性を改善するための点穴や水脈施工を行っています。

山本さんご自身も「風の通りや水の循環に改善がみられ、庭の空気や雰囲気が落ち着いてきた」と変化を感じておられました。 今回は、その表層の脈形成から地中の水脈へつなぐための、大切な継続メンテナンスとなりました。
9月からは「欅カフェ」がスタート!
今後も定期的に手を入れることで、大欅を中心とした生態系の「脈(循環機能)」の維持・再生を目指していきます。
そして9月以降は、この山本さん邸にて「欅カフェ」を定期的に開催していく予定です。

大地の再生の視点で、地上と地下の水と空気の巡りが整えられた心地よい空間で、大欅の歴史やここまでの経緯を共有しながら、「木と共にある暮らし」について皆さんと意見や情報交換ができる場にしていきたいと考えています。
詳細は追ってお知らせいたします!
