石積み講座〜今と昔を繋いで積んで〜レポート

長野県上田市にて2023年8月25日に開催されました『石積み講座』。

今回、お施主さんの自宅の石垣が崩れ

「コンクリートではなく、修復するなら昔ながらの石積みが良い」

との事で、石積みのエキスパート赤尾さん(大地の再生 関東甲信越 支部長、有限会社アートランド)にご依頼がありました。

石積みをメインとした講座は大地の再生の現場でも稀で、応募した途端すぐに定員に達してしまいました。

今回の参加者さんは、建築関係の方、造園業の方、チーズケーキ職人さんなどなど、バラエティー豊か。

初めに近くの公民館で石積みのポイントの説明を受け…

石のエキスパート赤尾さんによる石積みの座学
石のエキスパート赤尾さんによる石積みの座学

何人かの大地の再生講座は初めて♫と言う方に向けての座学をやって、

藤井さん(大地の再生 関東甲信越、HERBE)による初めての人向けの座学
藤井さん(大地の再生 関東甲信越、HERBE)による初めての人向けの座学

あとは実際にやってみよう!と、現場で早速実践に入りました。

現場は重機も入れない場所..。

現場は人が通り過ぎれるかどうかの狭さ
現場は人が通り過ぎれるかどうかの狭さ

赤尾さん手作りの『石下ろし装置』が置かれていました(良い子は真似しちゃダメ!とのこと…)

石下ろし装置
石下ろし装置

まずは地中に空気、水が浸透しやすいよう、石垣の一番下に杭を打ち込みます。

斜面が「砂」の場合は、斜面に杭を打ちこんでも良いとのこと。

石の裏側に焼き杭を打ち込みました
石の裏側に焼き杭を打ち込みました

ただ、今回のような砂利やガラが多い場合は、杭を打ち込むと逆に崩れやすくなるため、一番下の石の裏側に打ち込みました。

石を積む時のポイント。

とにかく石の重心は後に、そして下に!!

これを、赤尾さんは何度も講座中に言っていました。

重心を考えて石を置いていきます
重心を考えて石を置いていきます

あとは、石の形をよくみる。

接点になる部分の幅(胴摺り3分)はなるべく大きく

などなど。

実践を繰り返し、その中で実際に石をよく見ていかないと、この見立てはなかなかに難しいなと思いました。

こんな難しさを感じつつも、参加者さんたちの「のめり込む」感じや「集中力」はものすごかったです。

石積みに全集中
石積みに全集中

今回は女性の参加者さんも沢山いらっしゃったので、小さめの石で積み方を練習してみました。

小さめの石で石積みの練習
小さめの石で石積みの練習

これはコレで、小さな花壇なんかにも使えそうで可愛かったですよ♫

積むのは大変でしたが、知れば知るほど、石積みの素晴らしさが増していきました。

今回崩れてしまった石垣の後ろには、植物たちが地中深くまで根を張っていることを見れました。

石垣は、通気通水が保たれ、植物も根を張りやすい地中の環境造りを担っているのかな~と思いました。

そして、人が造ったものと植物とで、大地を支えている縮図を見たような感じもします。

昔の人は集落のみんなで造っては直し、壊れては直し…

こうして結の作業をしていたのかもしれないですね。

SNSでシェアする
  • URLをコピーしました!